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先日の勉強会では『A Beautiful Mind』の鑑賞会を行いました。
本当に素晴らしい映画でした。
このような映画に出逢わせて頂いたことに感謝致します。
ありがとうございます。

A Beautiful Mind

精神病と闘った天才数学者とその妻の半生
ビューティフルマインド(原題: A Beautiful Mind)は、2001年公開のアメリカの映画です。第2次世界大戦下のアメリカを舞台に、緊迫した時代を生きたノーベル経済学賞受賞の実在の天才数学者、ジョン・ナッシュの苦悩の半生を描いています。第74回アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞、ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞を受賞した作品です。

あらすじ

1947年、ウェスト・ヴァージニア出身の謎の天才と呼ばれるジョン・ナッシュは、プリンストン大学の数学科に奨学生として入学する。彼と同じく奨学生として入学したマーティン・ハンセンは、彼をライバル視していた。人付き合いが極端に苦手なジョンは、同級生たちから孤立し、授業にも出席せず、自分の研究に没頭する。

そんなジョンの唯一の友達は、ルームメイトのチャールズだった。チャールズは自由を愛する不良っぽい男で、引きこもりがちなジョンを、外へ連れ出してくれる。しかしどこへ行ってもジョンは常に浮いた存在で、女の子を口説くこともできなかった。

ジョンは自分を天才だと信じていたが、教授から「今の君の成績では、どこにも推薦できない」と言われてしまう。チャールズはその時も、大胆な行動をとってジョンを励ましてくれる。

ある晩、バーで美しいブロンド美女を見かけたジョンは、彼女のことを考えるうち、アダム・スミスの経済論に間違いがあることに気づく。ジョンはそれを論文にまとめ、教授に提出する。教授はこの論文を認めてくれ、ジョンが希望していたMIT構内にあるウイーラー国防研究所に、彼を推薦してくれる。

それから5年後の1953年。ジョンはウイーラー研究所のアナリストとして、アメリカ国防総省に呼び出される。ジョンは、モスクワから傍受した膨大な数字の羅列を見せられ、この数字に隠された暗号を解読するよう頼まれる。ジョンはすごい集中力で数字を見つめ、アメリカへの潜入ルートを示したソ連の暗号を読み解く。しかし彼の仕事は暗号解読のみで、国防省からの呼び出しも、4年間で2回しかなかった。

ウイーラー研究所では、研究できる代償として、新人の授業を受け持つ義務があった。ジョンは授業など意味がないと考えており、黒板に問題だけ書いて解きたい人は勝手に解くよう指示する。その教室に、アリシアという気丈な女性がいた。

ある日、研究所を出たジョンに、パーチャーという男が声をかけてくる。パーチャーは、原爆投下のプロジェクトも担当したという諜報員で、ジョンを研究所内にある機密区域へ連れていく。廃屋と思っていた建物内には最新鋭の機器を揃えた戦略分析室があり、多くの諜報員が働いていた。

ソ連のテロ組織は、ナチが開発した携帯型原子爆弾を手に入れ、その原爆をアメリカで爆破させる計画を進めていた。その組織の諜報員は、すでにアメリカに潜入し、新聞や雑誌の記事に暗号を隠して連絡を取っていた。ジョンの任務は、その新聞や雑誌に隠された暗号を解読し、毎月それを極秘で報告することだった。この仕事は国家の最高機密であるため他言は許されず、ジョンの腕には情報伝達のためのアクセスコードが浮かぶラジウムダイオードが埋め込まれる。

ジョンは、指定された新聞や雑誌にくまなく目を通し、暗号の解読を始める。ちょうど同じ頃、ジョンはアリシアと急接近していく。アリシアは頭のいい魅力的な女性で、変わり者のジョンに好意を持ってくれる。

ジョンは暗号を解読すると、それを極秘文書として厳重に封印し、指定された屋敷のポストへ投函にいく。屋敷の門は、腕のアクセスコードを通すと開く仕組みになっていた。その頃から、ジョンは誰かに尾行されているような恐怖を感じ始める。

アリシアとはうまくいっていたが、ジョンは結婚を躊躇していた。そんな時、久しぶりにチャールズと再会する。チャールズは事故死した妹夫婦の娘を引き取っており、その少女もジョンに懐いてくれる。

チャールズに励まされ、ジョンはアリシアと結婚する。パーチャーは、ジョンが家庭を持つことに反対で、2人の様子をいつも見張っていた。

1954年9月、極秘文書を届けに来たジョンをパーチャーが車に乗せる。パーチャーの車は、銃を持った殺し屋の車に追われる。ソ連側がジョンの存在に気づき、ジョンを始末するために動き出したらしい。パーチャーが銃で応戦し、その夜は逃げ切ることができたが、恐ろしい体験をしたジョンは、精神的に追い詰められていく。

アリシアの妊娠が発覚し、ジョンは仕事を辞めたいとパーチャーに申し出る。しかしパーチャーはそれを許してくれない。ジョンは死の恐怖に怯え、その行動は明らかにおかしくなっていく。理由を知らされていないアリシアは、ジョンの意味不明な行動に困惑する。

全米数学者会議で講演することになったジョンは、その会場に殺し屋が入ってきたのを見る。ジョンは逃げるが、数名の男に捕まり羽交い締めにされる。精神科医のローゼン博士は、暴れるジョンに注射を打ち、車に乗せる。ジョンはその場にいたチャールズに助けを求めるが、そのまま意識を失ってしまう。

ジョンはマッカーサー病院に収容され、手足を拘束されていた。ジョンはそこにチャールズがいるのを見て、彼が裏切ったと騒ぎ出す。しかしジョン以外の人にチャールズは見えない。なぜなら、チャールズはジョンだけに見える幻覚だったからだ。

実はジョンは統合失調症で、現実と幻覚の区別がつかなくなっていた。その症状は大学時代から出ていたが、ジョンが変わり者なので、周囲は彼のおかしな行動を病気のせいだとは思わなかった。つまり、チャールズとその姪っ子やパーチャーは幻覚で、極秘任務や殺し屋のことも、全てジョンの妄想だったのだ。

アリシアは半信半疑でジョンの研究室を訪れる。そこには、壁一面に貼られた雑誌の切り抜きがあった。そしてジョンがいたという廃墟のポストには、厳重に封印されたいいくつもの封筒が残っていた。アリシアは、ジョンに病気のことを説明する。しかしジョンはその話を信じず、腕を傷つけてパーチャーに埋め込まれたラジウムダイオードを探す。ローゼン博士は、彼が重度の統合失調症であると判断し、かなり強力な方法で治療を開始する。

1年後、苦しい入院治療を耐え抜いたジョンは、プリンストン大学の近くの小さな一軒家に引っ越していた。ジョンが仕事を失ったので、アリシアは仕事をしながら家事や育児をこなしていた。薬のおかげでジョンの幻覚は消えていたが、副作用で思考が鈍り、性欲も感じなくなっていた。アリシアが悲しんでいるのを見て、ジョンは密かに薬を断つ。そのせいで、ジョンは再び幻覚を見始める。

1956年4月、家の裏口が開いているのを不審に思ったアリシアは、近くの森で小さな小屋を見つける。小屋の壁は、雑誌の切り抜きで埋め尽くされていた。ジョンの症状が再発していることを知ったアリシアは、急いでローゼン博士に電話をかける。

ジョンはパニック状態になっており、命の危険を感じたアリシアは、子供を連れて逃げようとする。ジョンは車の前に立ちはだかり、「チャールズの姪が成長していない」と告げる。ジョンはそのことで、チャールズたちは本当に幻覚なのだと自覚する。

ローゼン博士は、強制的にでも入院させないと、病気がどんどん進行し、ジョンの世界が全て幻覚になってしまうとアリシアに忠告する。しかしジョンは、時間をかけて自分で解決するので、入院はさせないで欲しいとアリシアに頼む。アリシアは、身の危険を感じたらすぐに救援が来てくれる手続きをして、ジョンの願いを聞き入れる。アリシアは、愛の力を信じたかった。

2ヵ月後、ジョンはアリシアの勧めでプリンストン大学のマーティンを訪ねる。マーティンは友人として、ジョンが大学へ戻れるよう動いてくれる。ジョンは図書館の一角をあてがわれ、そこで数学の研究を始める。相変わらずチャールズたちは周りにいたが、彼は幻覚を無視する努力を続ける。

風変わりなジョンのことをバカにする生徒もいたが、彼は修行僧のように我慢強く大学へ通い続ける。1978年10月、ジョンを尊敬する生徒に声をかけられたのがきっかけとなり、図書館でジョンの講義が始まる。生徒たちに囲まれるジョンを見て、アリシアは喜びを感じる。

1994年3月、講義を終えたジョンは、ある教授から「あなたがノーベル賞候補に選ばれた」と声をかけられる。ジョンは彼が幻覚なのではないかと疑うが、それはまぎれもない真実だった。その教授に誘われ、大学のティールームに入ったジョンの前に、他の教授が敬意を込めて次々と自分のペンを置いていく。ジョンは感極まって涙を流す。

1994年12月。ジョンはノーベル賞授与式に出席するため、ストックホルムにいた。ジョンは舞台の上に立ち、客席にいるアリシアに感謝の言葉を述べる。アリシアは、そんなジョンを誇らしげに見つめ、惜しみない拍手を送る。ジョンは多くの苦難を乗り越え、愛の方程式の中に真理があるのだという答えを導き出していた。

感想文

全ての事の始まりは愛であり、愛によって導かれ、愛することで救われる。人間であることの苦しみと喜びを深く感じた。私はこの愛の真の意味を深める事をしたかったのだと思う。この映画で、愛すること、信じることの素晴らしさと、可能性を信じる、諦めないことを確信できた。(N.I.さん)

美しく、優しい映画でした。実在の人物の見ていた風景・体験・幻覚の症状までもがリアルに感動的に表現されていました。ジョン・ナッシュが大切な人と出会い、病を抱えながらもひたすらに数学に打ち込み続ける姿を祈るように見ていました。戦う人を笑うのはやめようと思いました。俳優さんの演技が特に素晴らしいと感じた映画でした。(N.S.さん)

今回の映画は初めて観ましたが、幻覚が見えて苦しんでいる人が、人の愛によってどんどん変わっていく、という事がよく分かりました。病気だからこの人を受け入れない。病気じゃないからこの人を受け入れる。本当にそれで人は幸せなのでしょうか?病気は1人じゃ治せない。仲間がいて、支えあって、お互いのことを理解し合っていくべきなのかな、と今日の映画を観て思いました。私はこの映画を観るまで統合失調症がどういう物なのか全く知りませんでした。そして、もう一つ、勝手に薬をやめると元に戻ってしまうという事も学びになりました。だから、薬は勝手に自分自身が治ったと思い込むのではなく、みどり先生、研先生がよく言っているようにちゃんと医師の診断と相談の上、その上周りの仲間の力が必要だと思いました。(S.T.さん)

統合失調症というものがどんなものなのかこの映画を観てよく分かった。これほどまでにリアルに幻覚を見てしまう病気。最終的に「これは幻覚だ」と理解できても、無いものが本当にあるかのように見えてしまうこの病気の恐ろしさ、当人でない者が理解するには、なかなか難しいものがあるのではないだろうか。本人の努力と周りの人々の理解、愛(思いやり)が必要なのだと感じさせる素晴らしい内容の映画でした。(T.O.さん)