水輪で学んでいること~A.Y
私は水輪に入所して約4年半が経ちます。水輪に来る以前は自分の好きなように自分の望むように暮らしてきました。欲しい服、食べ物などたくさんお金を持っていた訳ではありませんが、不自由することなく生きて来られたと思います。
半面、心の中では常に何かを求めてきました。それが何なのか、自分でも分からず映画を観たり、知らない土地へ出向いたり、本を読んだりしていました。自分は何か答えを探しているのですが、世の中では見つけることができませんでした。
水輪に入所し、毎日の実習、安心・安全なお野菜を使ったお食事、規則正しい睡眠リズムで心身共に健康的になりました。常に、心が乾いている感覚であった私にすっと入ってくるものがありました。一番は水輪で一緒に生活している仲間たちとみどり先生、研先生そして早穂理さんです。みんなで一緒に生活していると、みんなの良い面も悪い面もたくさん見えてきます。喧嘩をするときもあります。それでも、何があっても、見捨てないでいてくれる仲間、私達の可能性を信じ、諭し続けて下さる先生方には感謝しています。私は自分自身あきらめてしまっていたけれど、水輪に来て何が何でもあきらめないという信じる心の強さを学びました。ありがとうございます。
水輪での学び~T.S
はじめまして、私の名前は坂口智則といいます。私はここにきて5年と数か月がたちます。私の過去について話させていただきますと、私は子供の頃いじめにあい不平等というものについて苦しんできました。その後、高校を卒業した後も合格した短期大学に行かずそこから引きこもりをはじめ、周りとの交流を極力シャットダウンしました。そして家にいる間していることは、寝ながらゲーム、漫画を読むことのみです。しかし、その生活では好きなことをしていながらでも、心のどこかでは虚しい、虚しいと感じていました。そしてその虚しさがピークに達した時、私は自殺を図りました。それも3回です。それを見かねた両親がわらをもすがる思いで見つけたのがここ「水輪」でした。
最初、ここに来たときの私は体重は93kgでしたが、私は本当に現状を何とかしたい、何とかしたい!という思いでとにかく重たい体を引きずるようにしながらも必死に動き入所してから一か月で10kg体重が減りました。そしてもう一か月で体重が10kg減り、今現在の体重は約62kgになりとても体が軽くなりました。入所当時は私は館内メンバーとして館内の清掃、メンテ、食器洗い、お客様の接客。次は厨房の料理作り、菓子工房でパンづくりでした。そしてコロナの影響で畑の存在の重要性が明確化してきた今、私は畑のメンバーとして動いています。
ここ5年間の間に色々ありました。水輪の生活はたしかに忙しいです。しかし、私を苦しめたものは自殺にまで至らせた自分自身の弱さ――雑念と思っています。だからこそ自分の心に隙を与えない「いま、ここ自己」の生き方ができる水輪の環境にいさせていただいていることは、何度も絶望を味わってきた私にとっては本当に貴重なチャンスと思っています。しかし、この確たる希望をもつまでに至った道はとても苦痛を伴う茨の道でした。
まず、わたしは子供の頃、勉強も運動も全然できませんでした。それ故によく周りから比較され、その結果水輪での生活も他者との比較を頻繁にしてしまいました。しかし、そんなことをしても意味がないのです。自分と比較すべきは昨日の自分であり昨日より今日、今日より明日という自分を高めていく意識の積み重ねが私にとっても、またみんなにとっても重要と思います。そして私は過去、確かにいじめを受けました。水輪に入所するまではそのことを恨み、憎んでいましたが今となってはそのことに感謝しています。何故なら“いじめに受けたからこそ水輪に入所することができたから”です。私自身ネガティブな考え方が多くこの考え方に辿りつくまで本当に苦労しました。私自身、「こんな自分に一体何ができるっていうんだ」という考えを持ちながら十年以上、家に引きこもっていました。しかし、今は違います。―「人間やればできる」―そう、やればできるんです。私はここで学んでいる教材の一つに、ここ水輪での恩師―稲盛和夫―さんの本を勉強会で読ませていただいてます。その中で非常に勉強になる一文がありました。それは「あきらめなければ、成功しかありえない」という一文です。確かに人はどれだけ努力しても、つまずくことは数えきれないほどある。その自分の人生を走っている中で派手に転ぶことは何度も何度もある、しかし、しかし大事なことはあきらめないこと、途中でほうりださないことです。転ぶたびに立ち上がればよいのです。その繰り返しの過程が人を強くするものだと本当にこの5年間で学びました。もう一つ私が学んだ事として大事なことがあります。「今日一日を精一杯生き切る」――人間、一日にできることは限られている。自分ひとりができることは本当に限られている、だからこそ、限られた今日を精一杯生き切ることが、本当の志ということを、毎日の実習の積み重ねで体験させていただきました。
私は今、研修生としてスタッフになるために日々精進を重ねさせていただいています。その学びの一環として実習生への指導・育成というものがあります。しかし私自身、人との関わりを避けていたために苦手とするところがありました。しかし場数を踏むうちに「教えることは、教わること以上に教わることである」と学びました。その教えることの一つの真のあり方を決して忘れないよう、謙虚に日々学んでいこうと思います。
水輪での学び~N.S
私は、水輪に来て3年が経とうとしています。水輪に来る前は仕事が続かず、同期、目上の人への反発などがありました。親にも反発をしていました。そこで、親が水輪を紹介してくれました。水輪というところを初めて訪れた時、大自然の中で過ごしている人だ!皆の命が育まれているんだ!と思う程度の気持ちでした。最初はこわかったですが、段々慣れてきました。ですが、やっぱり反発心が出てしまう状態になってしまいました。これを境に私は皆への感謝の気持ちを持つようになりました。それは、私に愛のある心からのメッセージだと、「注意していただいてありがとうございます。」を言えるようになったことが私の感謝の気持ちです。本当にありがとうございました。
水輪で学んでいること~A.C
私は20歳の時水輪に来て今4年が経ちます。4年経った今、私は、本当に水輪に来れてよかったと、心から思っています。4年前、私は心も身体もボロボロの状態でここに来ました。16歳の頃から摂食障害と人格障害を患い、学校に行けなくなり、昼夜逆転の生活、家ではどうしようもない虚しさと悲しみ、苦しさと不安に駆られ、それらを紛らわすためにリストカットと向精神薬の多量服薬(オーバードーズ)を行っていました。まさに人生のどん底でした。何度も何度も病院に入院し、退院を繰り返し、薬を飲んでも何をしても良くなりませんでした。バイトも続かず、家で寝たきりの生活になってしまいました。最後の入院先でお母さんとお父さんが最後の希望の道だと水輪を紹介してくれ、最初私は大変嫌がりましたが、私の親は覚悟を決めて、私をここへ置いていきました。それから始まった24時間365日の共同生活、みんなと過ごした4年間が今では本当にあっという間だったと感じます。あの時ここへ入ることを嫌がった私を置いていってくれたお母さんとお父さんには本当に感謝しています。本当に本当に感謝しています。私は今とっても幸せです。幸せは心の内にあるという事がここにきてわかったのです。私は水輪に来てからも自分のことで苦しみました。その中でも大きく心を占めていたのが劣等感です。人と比べて、あの人はあれを持っているのに自分は持っていない、あの人はあれが出来るのに自分は出来ない、いつもいつも人と比べて自分はダメだと、自分で自分を貶めていました。ある日、みどり先生に自分が劣等感を抱えていることを話しました。そしたら早穂理さんの母であるみどり先生はこんなお話をして下さりました。「早穂理がもしあなたのように話せたらきっと同じことを言うのかもね、どうして私なの、どうして私の身体は思うように動かないの、どうしてどうして、と。でも早穂理がそう言ったら私はこう返すかもしれない、自分に与えられた力を精一杯使い生きなさい、と。『早穂理。ひとしずくの愛』の本に書いてあったように、早穂理が片目を失いそうになった時に、片目がダメならもう一方の目があるじゃないと思った。片目を失っても、片手を失っても精一杯自分に与えられた命を使って生きるの。それがあなたが人生で出来る最大の事なの」と。この時、私は早穂理さんが重い障害を抱えていても、日々本当に一生懸命生きている姿を思い出しました。そしてやっと自分は自分なのだという事が感じられました。この世に命を与えられて、今この場所でこの役割を与えられていて、私のやるべきことは、ただ今この時をこの命を使い懸命に生きる事なのだと。ただそれだけなのだという事を学びました。幸せは心の内にあるもの。自分の中にあるもの。感じるもの。何々の環境にいるから、何々を手に入れたから、高学歴だからとかお金持ちだからとか、スタイルが良いからとか、肩書はこうだからとか、そういう表面的なものを手に入れても、自分自身の心が幸せを感じていなければ、幸せとは言えない。様々なものを手に入れても心が満たされない人もいるし、何も持っていなくても幸せな人もいる。私自身が幸せを感じるときは、やはり、自分自身の命を一生懸命使っている時でした。一生懸命水輪での実習を行っている時、私は心から幸せを感じるようになっていました。私がそのように思えるようになったのは、私が水輪で実習が嫌で動けなかったときにも、厳しく私に叱咤激励してくれたみどり先生と仲間のみんなのおかげです。諦めず、決して諦めず私に真向かい続けてくれたおかげです。人は誰しも必ず心の中に光輝くダイヤモンドの原石があるとみどり先生はおっしゃいます。4年経った今、私は本当に幸せです。感謝の気持ちでいっぱいです。これからも私はぶれない自己を作り続け、いつか立派な人間に成長し、真の強さ、真の愛を持てるようになりたいと思います。そしていのちの森クリニック院長の井上弘寿先生のお薬調整で今まで繰り返した入院生活からさよなら出来た事、そしてこのような報告が出来ることは、井上弘寿先生の診たてにいつも支えられ、良くしてきて頂いたおかげだと思っています。現在精神科医療は崩壊していると言われていますが、このいのちの森水輪は決してそんなことはありません。ますます、生活力、仕事力、人間力の三本柱の実習を実践することにより、ますますみんなのいのちは輝いています。生き方働き方学校はいのちの森という大自然のフィールドの中で1人1人の命が自然の子としていのちの存在の原点に立ち返り、もう一度新しく生まれ変われる道筋を実践しています。そして心と身体の調子を整え、行動、対人関係の持ち方まで人格といのちを高める感じ方考え方を井上先生は指導してくれています。私は井上先生無しではここまで来ることは出来ませんでした。井上先生に出逢えた事、井上先生には感謝の想いでいっぱいです。私はこれからもいのちの森で考え方感じ方を学び、自己を高めていきたいと思います。これからもよろしくお願い致します。