水輪

水輪で学んでいること(スタッフ)

日々の実習で学んでいる事~R.S

私は水輪へ来て8年ほどになります。

ここに来る前は、人との関わりを避けて引きこもりになり、成長のない日々を送っていました。引きこもりを何年も続けていると、社会から自分ひとり置いて行かれているように感じ、焦りました。それでも何も変わることができず、将来に希望が持てず、考える事がどんどんとネガティブになっていきました。

人を疑い、不安が大きくなり心がおかしくなっていきました。

そんな頃に縁あって水輪に来ることになりました。

しかし私は水輪に来てからも人を疑い、悪く思い、人にぶつかってばかりいました。

それでも実習の日々を過ごし時間がかかりましたが、水輪の先生方、スタッフ、実習生の方々が心を込めて私に関わってくださったことで、私は自分の考え方を思い直し、人を信じたいと思うようになっていきました。疑いを持ち不安で不安定だった頃よりも、心に安心感を感じ日々の暮らしで心に充実感が生まれました。

まだ心は不安定で上がったり下がったりもしていますが、絶対に人を疑わず、信じるように心がけています。これから目の前の実習に一生懸命打ち込み、自分の人生を開いていけるよう頑張りたいと思います。

水輪で学んでいること~T.T

今まさに、水輪の生き方働き方学校で、毎日の生活に関わる実習を通して、生活力、仕事力、人間力を一歩、一歩高めています。

私は幼少期から大勢の前で発言することが恥ずかしく、一緒に行動するのなら、2、3人で、多くても4~5人で行動することの方が得意と言えば得意でした。大好きな山歩きもたまにツアーで参加していましたが、ほとんど単独~2名ぐらいで歩くことを好んでいました。

しかし、今は30人もいる共同生活をしています。初めて、家族以外との共同生活を仲間とともに7年続けてきました。大勢でいるのは苦手ですが、苦手だからこそ、その環境のせいにせず、苦しい、厳しい中から見えてくる醜くても、恥ずかしくても私の心の在り方を感じ、見つめ直し、私達の成長、学びにつなげている最中です。

誰かの立場より優位になって安心していたり、自分1人でなんとかしなければならないとか、頼まれたことは何でも早く終わらせなければならないとか、知らず知らずのうちに身に付けてきた考え方や癖、思い違いは1人では堂々巡りするばかりで物事が思い通りに進みません。自然と人に関わり、そばに生活、仕事を共にする仲間がいて、今、ここであることを感じる以外に他に何を望むことができるのでしょうか。乗り越えるべき自分の課題や無意識に繰り返し起こしてしまう失敗から、自分を目覚めさせてくれる声を聞き、やっと自分が知らなかった自分に気づき、我を振り返り内省する日々を送っています。

水輪での学び~Y.K

昨年は今まで畑のことを進めていたリーダーが退所したことがあり、私が畑の計画の一部を担当させていただきました。

初めて(ではないところもあるが)計画を立てて畑を進めることは、本当に霧の中を歩くようなものでわからないことだらけです。それに私の中の自分勝手な部分も顔を出し失敗の連続。怒られたことも多かった。今思えばありがたいですが、その時は渦中の真っただ中で焦る気持ちが多かったです。

昨年から特に研一先生が現場に入り今までの誤りをガツンと正していただきました。本当にガツンと言う感じで、叱っていただいた。自然栽培の基本から、種の選び方も改めて教えていただき、畑づくりも初めから。自然農の講師の方も来ていただき基本的なことの学び直しです。(これはなかなか楽しかった。学ぶことも多かった。)

インターネットで調べた混在密植栽培を試してみたくなり、勝手に試したところ小さい野菜しか取れず失敗。畑に大損害を与えました。この時は勝手にやったという事もあり、いつもファームには大損失を出していました。いつもに増して叱っていただきました。(30歳を目前に今更ですが)本当に勝手に物事を進めてはいけないとわかりました。これだけでも感謝。

種まきも前年のリーダーが作った計画もあったが、畑づくりやり直していたため時間的に間に合わない。播種日のずれていたものを一気に播種。もちろん失敗。一度に蒔いた分、後半まで野菜が供給できなかったです。この時に野菜の収穫期というものを意識しないといけないと改めて思いました。5年畑をやってきたが基本的なことがわかっていない。これも反省自分で考えられる立場にあることは学びの立場。ありがたいこと。そうでなくても意欲的に畑のことも参加することで学びを深められる。本当は精神の学びが一番大事。ミスを出すということは精神の学びが育っていないことでもある。

昨年は雨が多かった特に麦の収穫期と梅雨が被る。(毎年のことだが・・・)

麦が収穫できないと思っていたが、あるスタッフの機転で収穫したものをビニールハウスで干すという荒業を考案。これも当事者意識。

7月下旬にキャベツの苗を植え付け。毎年と同じやり方で定植したが、マルチに風の通るような張り方をしていたので、苗を半分からしてしまいました。毎日確認していれば枯れることはなかったです。いつも言われることだが、野菜に愛情をもって観察することが大事。これも私の課題。人間に対しても同じである。

昨年から今年にかけて叱られることは多かった。その時動揺した気持ちになっても自分の中で消化する事は次に成長に繋げなければならない事だ。感情をため込むようなことはしないが、教えられた事を修正実行しない事は、それがそのまま取り返しのつかない私の人生を作っていってしまうからだ。

そして、感謝につなげる。叱られているその時に感謝の思いが出てくるのが一番良いことだが、感情はそう簡単ではない。その時は感情に流されるかもしれないが、冷静になって考えれば感謝の思いばかりだ。それで魂が磨かれたことになる。一歩前進。

私の一番の長所は自分を信じ何があっても前進することは忘れないことだと思っています。

目下のところ感情ということにとらわれるのではなく、冷静に客観的に物事を見れる自分に主眼を置いて日々の生活実習を行っています。

水輪との出会い ~今、水輪で学んでいること~N.I

私と息子二人はこの水輪でいのちを救われました。水輪がなければ私たち家族は転落の人生を送っていたと思います。12年前水輪に出会うことができ、私たちの人生が開き始めました。それぞれが導かれる様に、一歩一歩前を向いて歩き続けることができたのは、水輪で学ぶ、また発信されるすべての事が、人を愛することを原点に、私利私欲のことは一切なく、人が生きる目的は意識の進化であること、そして、決してあきらめない心、信じる心を教えていただけたからです。

私は12年前、長男が小学校を卒業して間もなくの初夏、12歳の子を連れ水輪を訪れました。長男は生育歴の過程で、対人関係の恐れがとても強くなり、日常生活を送るのが困難になり不登校になってしまいました。離婚後二人の息子を抱え必死で生きる中、長男が将来自立できなかった事を考えると、家族3人の未来は暗闇、不登校の状態が二か月以上続き、これ以上長引かせては良くないという危機感が私を突き動かしました。都会の中で自然を求めていた息子でしたが、家族と離れて長野で生活する事が理解できるはずもなく、水輪に一緒に来たものの、私は息子に帰ることを告げず、そっと水輪をあとにしました。

その後10年間、息子は先生方と水輪の皆さんに、時には厳しく、また優しく、共に苦しみ、共に喜び、時に心に寄り添い、先生方の全身全霊で育てていただきました。息子は水輪で力強く正しく生きてゆくための全ての事を学び、心の病を克服し、無事に卒業を果たし社会へ飛び立つことができました。

兄と離れて暮らすことになった10才の次男も、水輪から、また日々成長する兄からの波動を受け、そして水輪に来るたびに皆さんからのエネルギーを沢山いただき、自立した考え方を持つ大人に成長させていただき、社会へ出ていくことができました。

生き方働き方学校で、息子は10年間、生き方と働き方と感じ方考え方を教えていただきました。息子は中学校にはほとんど行っておらず、学校教育も社会的な教育も12歳までしか受けておりませんが、読み書きだけでなく、基本的な生活習慣から、畑で作る無農薬の野菜の作り方、果樹の育て方、ぶどう棚の建設、ピザ窯小屋の建設、建物館内のメンテナンス、宿泊のお客様のサービス、客室メンテナンス、レストランのお客様の対応、お客様に提供する畑の野菜を使った本格的な料理、伝統的な保存食の作り方、お客様の前での自身の体験発表、ソーラン節の演舞発表、ミーティングでの司会など、あらゆる分野の体験から技術的なことを身に着けさせていただきました。

そして、そのひとつひとつの学びは、表面的な事に留まらず、深い意味と価値があることを教えていただきました。学校で学ぶ以上の、また学ぶ事のできない、生きるための大切なことを、毎日毎日朝起きてから、夜寝るまで先生方は全力で教えてくださいました。そして、社会に旅立った時、その学びがすべて活かされ、しっかり地に足を付け、堂々と前を向いて生きる事ができ、これまで育てていただいた事への感謝、働けることの喜びが、生きる力となっております。

親にはできないあらゆる教育を息子は受け、育てていただき、私たちのいのちは甦ることができました。息子たちは自立し、それぞれが自分の道を進み始めたとき、私自身の夢も叶いました。水輪で息子がお世話になり、水輪の事を深く知るほど、自分もここで学べたらどんなに幸せだろうとずっと思っていました。その思いは、天に届き、私の水輪での生活は叶ったのです。私と息子たちはこれまでに三回いのちを救っていただき今があります。

私はこれからの人生を自分のためでなく、いのちを助けていただいたご恩を少しでもお返しし、皆さまのお役に立てることを志とし、また自分の意識を進化させ続け、魂を磨き続けることがここ水輪ならできると思い、水輪のスタッフとしてここで生きて行く覚悟を決めました。

いのちの森水輪は、人として生きる真の姿を学べる場所であると思います。それは、どう感じ考え、行動に移すのか、未来に向かって、未来を切り開くべく、今を生ききること、どんなに世の中が変わろうとも、ぶれない自己をつくること、そしてこの世で一番大切なものは、存在するすべての命であり、愛し合い助け合い補い合うこと。先生方はよくおっしゃいます、早穂理さんのいのちは皆のいのちであり、早穂理さんは皆であり、皆は早穂理さんであると、そして、そのいのちは畑の野菜も同じであると。そのいのちを私達はいただいて生きている、私たちはすべてのいのちによって生かされているということを教えていただいております。

そして、私たちが忘れてしまった大切なことを、思い出させてくれます。共に生きるということは、仲間を見捨てないこと、あきらめないこと。信じ、許すこと、感謝すること、愛すること。仲間と生き合う中で、共に生きる本当の姿を学ばせていただいております。これは、今の社会にはない、究極のしあわせのかたち であると思います。

さらに、どこに行っても通用する働き方、どんな時代が来ても強く生きて行く力、人生を通して人格を高め続け精神性を学ぶことができる場所、いのちの森水輪で私は日々精進してゆきたいと思います。

水輪で学んでいること~C.W

コロナ渦の中水輪では、早穂理さんを守る為、預かっている青少年達を守る為、丸1年宿泊業務を自粛し、畑を中心に活動してきました。この期間の中で今まで忙しさに追われ見えなくなっていたこと、見なくて済んでいたことに気づくことが多くあったように思います。豊かな自然に囲まれた素晴らしい環境で、コロナ渦に左右されることなく、この1年間を過ごすことが出来たことは、先生方とご支援くださる皆さんのおかげであることをしみじみと感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。

この1年間、グリーンオアシスのお食事作りから離れて、半年間は研一先生が指揮を執り全員で畑の実習に明け暮れました。毎日、朝から夕方まで土まみれになり草取り、うねたて、植え付けなど実習生に声がけをしながら夢中になって行いました。

食事作りは女性全員でローテーションを組んで30人分を三食作ります。片付けもかなりのもので食事当番になった時は一日中厨房の中にいました。研一先生とハードな実習を終え、疲れて帰ってきて、ご飯を美味しそうにほおばる皆の顔を.見ることは、とてもうれしい時間でした。冬になり、雪に包まれると畑実習は少なくなる為、日々の実習は雪かきや館内のお掃除、豆選別、調理実習などになります。今年は冬の間、男性も調理実習に入る事になりました。私は調理実習から大幅に抜けることで、今までとは違った体験を多くさせていただきました。今までは、レストランの調理や接客などに一日のほとんどの時間を費やしていた為、生き方働き方学校としての取り組みに対して関りが薄かった様に思います。この冬は自分自身も含め人の意識が育ち、更生し、成長していく為にどんな事が必要なのかという事に向き合い学ぶ機会となりました。多くの実習生は、成育歴に問題があり健全に生きることが困難だった人、学校生活、社会の中で躓き、不登校や引きこもりになってしまった青少年達です。どの人も入所したての時は、思うように動くことが出来ず精神的に不安定です。先生方のお話では、年々、重い精神症状を持った人が多くなり、一筋縄では対応できなくなっているようです。その中で、日々の生活をきちんと行っていく生活療法が重要になっています。毎日同じ時間に起きて、顔を洗う。掃除をし、料理を作る。ご飯を食べる。食べた後の片付けも自分達ですべて行う。そして実習(仕事)を行い、昼夜の食事も同様、料理と片付けを行う。そういった当たり前の事をやらずに済んでしまうような家庭環境がある事で、当たり前のことが身についていない人が大半です。私自身もそうでしたが、そういった環境では土台を作る事が出来ず人間を弱くしてしまう原因なっているのではないかと思います。生き方働き方学校は生きなおしをする場でもあります。

夜の時間は勉強会やミーティングなど行い、ワークシートを書いて就寝する。そういった毎日の中で、それぞれ色々な課題が出てきます。その課題を一人一人が向き合い乗り越えられるようサポートしていきます。スタッフだけが声がけするのではなく全員で考えサポートし合います。一つずつ課題を乗り越え、一人一人着実に成長し始めます。いのちの森クリニックの井上先生の勧めで、毎日書いているワークシートを認知行動療法シートとして記入していく事になりました。日々の実習、行動に対し感じたこと、考えたことを見つめ記入し、ネガティブな考え方をポジティブな考え方にどう変えられるかを記入する。書くことで頭の整理をして心に抱えたものを手放していく。そういった日々の取り組みを行いながら生活力、仕事力、人間力を養い、自立に向けての基本的な力をつけていきます。先生方からはこういったこと以外にも重度の障害を持った早穂理さんとのかかわりの中で得てきた気づきや有り方から、私たちに無償の愛とはどういうことなのか。利他に尽くすとはどういうことなのかを角度を変えながら常々教えて頂いています。

私自身、見えていなかった事、見えていても向き合ってこなかった事が本当に多かったと思います。日々実習生を見て、自分の行動、心の有り方がどうだったのかを振りかえり、本当に教えられることが多く自分を正す毎日です。人生の中で幾度となく繰り返してきている自分を苦しめていたパターンがはっきりとしてきました。自分自身の課題も乗り越えながら、他の人が成長し、自分の力でしっかりと立っていけるようサポートしていきたいと思っています。

水輪で学んでいること~A.N

私はここ水輪に来て、早1年以上経過しました。日々があっという間に過ぎ去り、毎日忙しく働かせて頂いています。水輪に来て私が学んでいることは、自分を見るということです。今までの自分は仕事に追われ心身共に疲弊してしまい、見ることはできませんでした。しかし水輪に来て少し体調が回復し、忙しい中でも自分を見て、今までの自分が至らなく、周囲の人達に愛をもって接することができなくなっていたのだと気づきました。また、水輪に来て気づいたことは、生きるとはどういうことかということ、1つ何か問題をクリアすればまた1つ問題が起きることがあります。それでも心を立て直し、強く生きる、体が不調でも心を立て直して、その瞬間を生きる、それが今までの自分には足りなかったと思いました。この気づきを今後に生かして参りたいと思います。